一般的な文章なら「貸し出し」と書くと分かりやすく、公用文では「貸出し」という表記が使われます。「貸出」は、「貸出資料」「貸出期間」のような複合語や項目名で使われることがあります。
たとえば、普通の文章なら、
備品の貸し出しを行っています。
公用文の表記なら、
資料の貸出し
図書館などの項目名なら、
貸出資料
貸出期間
のように書かれます。
つまり、「貸し出し」「貸出し」「貸出」は、使われる場面を分けて考えるのがポイントです。
「貸し出し」「貸出し」「貸出」の基本ルール
「貸し出し」は「貸し出す」の名詞形として送り仮名を付けた形です。
一方、公用文では、複合語の名詞について送り仮名を一部省くことがあり、「貸出し」という表記が使われます。
さらに「貸出」は、別の語と組み合わせた複合語や項目名などで実際に使われています。
「貸し出し」は一般的な文章で使いやすい
普通の文章では、
図書の貸し出しを行います。
備品の貸し出しを希望する方は申し込んでください。
傘の貸し出しサービスがあります。
のように「貸し出し」と書くと、語の形が分かりやすくなります。
特別な表記指定がない一般向けの文章なら、「貸し出し」を選ぶとよいでしょう。
「貸出し」は公用文で使われる表記
文化庁の「公用文作成の考え方」は、送り仮名について「送り仮名の付け方」や公用文の具体的な運用に基づくとしています。
この運用では、複合語の名詞について、
貸出し
のように送り仮名を一部省く表記が使われます。
つまり、公用文では、
貸し出し → 貸出し
という形になります。
「貸出」まで送り仮名をすべて省くこととは分けて考えます。
「貸出」は複合語・項目名で使われることがある
「貸出」は、
貸出資料
貸出期間
貸出票
のように、後ろに別の語が続く形でよく使われます。
国立国会図書館でも、
資料の貸出し
貸出しサービス
と書く一方、
貸出資料
貸出期間
貸出票
という表記を使っています。
同じ「貸すこと」に関係する語でも、文章中の名詞と複合語では表記が異なる場合があります。
場面別ではどう使い分ける?
一般的な文章・メールでは「貸し出し」
自分で普通の文章を書くなら、
貸し出し
が分かりやすい表記です。
たとえば、
会議室で備品の貸し出しを行っています。
貸し出しを希望する場合は受付で申請してください。
パソコンの貸し出しは行っていません。
のように書けます。
一般向けの記事やメールでも、特別なルールがなければこの形を使いやすいでしょう。
公用文では「貸出し」
公用文の表記基準に従う場合は、
貸出し
とします。
国立国会図書館でも、
資料の貸出し
図書館間貸出し
貸出しできる冊数
のような表記が実際に使われています。
ただし、文化庁は一般向けの解説・広報では、読み手への配慮から送り仮名を省かずに書くこともできるとしています。
そのため、公的機関のWebページだから必ず「貸出し」になるとは限りません。
見出し・項目名・複合語では「貸出」
「貸出」は、短い項目名や複合語で使われます。
たとえば、
貸出期間
貸出資料
貸出制限
貸出票
などです。
国立国会図書館でも「貸出資料」「貸出期間」という表記が使われています。
この場合は、「貸し出し」の送り仮名を単純に省略したというより、一まとまりの複合語・項目名として定着している表記と考えると分かりやすくなります。
公的なサイトではどう使われている?
独立した名詞では「貸出し」
国立国会図書館では、
資料の貸出し
貸出しできる冊数
貸出しサービス
のように「貸出し」を使っています。
公用文の送り仮名の考え方に沿った形です。
別の語と組み合わせると「貸出」
同じ国立国会図書館のページでも、
貸出資料
貸出期間
貸出制限資料
貸出票
という表記があります。
つまり、一つのサイト内でも、
- 独立した名詞 → 貸出し
- 複合語・項目名 → 貸出
という使い分けが見られます。
この実例からも、「貸出」を一律に誤りとはできません。
表記を決めるときの注意点
「公用文だから貸出」としない
公用文で送り仮名を省く場合の形は、
貸出し
です。
そのため、
公用文では「貸出」が正しい
と覚えるのは適切ではありません。
「貸出」は、「貸出資料」「貸出期間」など別の用途で使われる形と分けて考えます。
正式名称・項目名はその表記に従う
たとえば、
図書館間貸出し
貸出資料
貸出期間
のように名称や項目名が決まっている場合は、その表記をそのまま使います。
自分の本文を「貸し出し」に統一しているからといって、正式名称まで変更する必要はありません。
同じ役割では表記をそろえる
本文中で理由なく、
資料の貸し出しを行います。貸出しを希望する場合は……
のように揺らすのは避けた方がよいでしょう。
一般文なら「貸し出し」、公用文の基準に従うなら「貸出し」など、同じ役割では一つの表記にそろえます。
一方、
貸出期間
資料の貸し出しは2週間です。
のように、項目名と本文で役割が違えば異なる表記を使うことはできます。
迷ったときの判断基準
| 書く場面 | 表記の目安 |
|---|---|
| 普通の文章 | 貸し出し |
| メール本文 | 貸し出し |
| 一般向けの説明文 | 貸し出し |
| 公用文の表記 | 貸出し |
| 貸出資料・貸出期間など | 貸出 |
| 正式名称・既定の項目名 | その表記に従う |
| 動詞 | 貸し出す |
一般的な文章なら「貸し出し」、公用文なら「貸出し」、「貸出資料」「貸出期間」のような複合語・項目名では「貸出」と考えると整理しやすくなります。
「送り仮名を省略できるか」だけで判断せず、その語が本文中の名詞なのか、複合語・項目名なのかまで確認するのがポイントです。

