二重かぎ括弧『』はどう使う?書名・引用での基本ルール

句読点・記号の書き方

二重かぎ括弧『』は、書籍・雑誌名や作品名を示す場合や、「」の中で別の引用や名称を区別したい場合に使います。

たとえば、

『文章の書き方』

のように書名を示したり、

「『文章の書き方』を読みました。」

のように、かぎ括弧の中に書名を入れたりします。

ただし、「」の中に括弧が入ったら必ず『』に変える、という単純なルールではありません。

文化庁の「公用文作成の考え方」では、必要に応じて「」の中にさらに「」を重ねることもできます。『』は、役割を区別した方が分かりやすい場合に使うと考えるのが基本です。

二重かぎ括弧『』を使う主な場面

文化庁の公用文関係資料では、『』について、書籍・雑誌名や作品の題を示す場合、「」の中でさらに「」を使うと分かりにくい場合などに用いる例が示されています。

書籍・雑誌名を示す

書籍名や雑誌名なら、

『文章の書き方』

『○○研究』

のように『』で囲む書き方があります。

文化庁の国語関係の議事録でも、一般的な書誌情報では、出版された書物やジャーナルのタイトルに二重かぎ括弧を使うという考え方が示されています。

一方、論文名や記事名などは「」で示すことがあります。

作品名を示す

作品の題を、

『○○物語』

のように二重かぎ括弧で示すこともあります。

文化庁の公用文検討資料でも、『』の使用例として「書籍・雑誌名、作品の題など」が挙げられています。

ただし、媒体や分野ごとに表記ルールが決められている場合は、その指定を優先します。

「」の中で別の名称や引用を区別する

たとえば、

「『文章の書き方』を参考にしてください。」

のように、外側の発言・引用を「」、その中の書名を『』とすると、役割が分かりやすくなります。

この場合、単に「括弧が二重になったから『』を使う」というより、

  • 外側=発言・引用
  • 内側=書名

という役割の違いを示しています。

「」の中では必ず『』を使う?

必ずではありません。

文化庁の「公用文作成の考え方」では、かぎ括弧の中でさらにかぎ括弧を使う場合、そのまま「」を重ねることもできます。

同じ「」を重ねてもよい

たとえば、外側も内側も引用として扱うなら、文書の方針によっては同じ「」を使えます。

つまり、

「」の中だから必ず『』

という規則ではありません。

区別しにくい場合は『』を使う

一方、同じ括弧が重なると読みづらい場合は、『』に変えて区別する方法があります。

文化庁の公用文検討資料でも、「」の中でさらに「」を使うと分かりにくい場合などに、二重かぎ括弧を用いることがあるとされています。

したがって、

入れ子の深さではなく、役割を区別する必要があるか

を見ると判断しやすくなります。

書名と論文名・記事名はどう分ける?

書誌情報では、『』と「」を使い分けることがあります。

書籍・雑誌名には『』

たとえば、

『日本語表記の手引』

のように、書籍全体のタイトルを『』で示します。

論文・記事などには「」

たとえば、

「公用文における句読点の使い方」

のように、雑誌や書籍の中に収録されている論文・記事の題を「」で示すことがあります。

文化庁の議事録でも、一般的な書誌情報の慣行として、

  • 出版された書物・ジャーナルのタイトル=『』
  • 論文タイトル=「」

という整理が示されています。(bunka.go.jp)

ただし、これはすべての媒体・引用方式に共通する絶対規則ではありません。学会・学校・出版社などで指定がある場合は、そのルールを優先します。

二重かぎ括弧を使うときに迷いやすいケース

『』は便利ですが、役割を決めずに使うと「」との違いが分かりにくくなります。

強調のためだけに多用しない

単に目立たせたいだけで、

『重要』

『必ず確認』

のように使うと、書名なのか引用なのか役割が曖昧になります。

文化庁の公用文関係資料でも、『』などの括弧類は文書内で用法を統一し、むやみに多用しないよう示されています。(bunka.go.jp)

「」と『』の役割を文書内でそろえる

たとえば、一つの文書の中で、

『○○入門』

をある場所では書名として使い、別の場所では単なる強調として使うと、役割が分かりにくくなります。

一度、

『』=書名
「」=引用・語句

のように方針を決めたなら、同じ文書内でそろえます。

入れ子だからと機械的に変えない

外側は「」
その内側は必ず『』
さらに内側は……

と、括弧の深さだけで種類を決める必要はありません。

入れ子の基本については、括弧の中に括弧を書くときはどうする?入れ子の正しい書き方で詳しく整理しています。

「」と『』の違いを整理すると

用途基本的な使い方
発言・引用「」
単語・語句を示す「」
書籍名『』を使うことがある
雑誌名『』を使うことがある
作品名『』を使うことがある
論文・記事名「」を使うことがある
「」の中で別の役割を区別『』を使うことがある
同じ「」の入れ子使用可能
指定スタイルがある指定を優先する

迷ったら、「この『』は何を区別するために使っているのか」を確認します。

書籍・雑誌・作品などを示したいなら『』、発言・引用・語句なら「」を使うのが一つの目安です。

ただし、入れ子になったから必ず『』へ変えるわけではありません。文書内で役割が分かりやすく、表記が統一されていることを優先します。

参考資料・参考サイト

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