ダッシュ「―」は、1本でも2本重ねた「――」でも使えます。「必ず2本でなければならない」という一律のルールではありません。
文化庁の「公用文作成の考え方」では、
―
をダッシュとして示したうえで、使用例として1本と2本重ねた形の両方を挙げています。
そのため、
―
でも、
――
でも、用途や媒体のルールに合わせて使えます。
ダッシュは1本でも2本でも使える
文化庁は、ダッシュについて「文の流れを切り、間を置く」「発言の中断や言いよどみを表す」などの使い方を示しています。
1本で使う
たとえば、
この制度は―現在では使われていません。
のように、文の途中で流れをいったん切る使い方があります。
文化庁の資料でも、ダッシュ1本を使った例が示されています。
2本重ねて使う
同じ資料では、
――
と2本重ねる形も例示されています。
したがって、
「―」1本は間違い
「――」2本だけが正しい
という関係ではありません。
出版社や媒体が「――」に統一している場合は、その表記ルールに従います。
ダッシュは文章の流れを切るときに使う
ダッシュには、文章の流れをいったん止めたり、間を置いたりする働きがあります。
文の途中で間を置く
たとえば、
結論は一つです――今回は実施しません。
のように、後半を強調したり、少し間を取って続けたりできます。
文化庁も、ダッシュの用途として「文の流れを切り、間を置く」ことを挙げています。
発言の中断や言いよどみを示す
会話などでは、
「それは――」
のように、発言が途中で止まったことを示す使い方があります。
この場合も、1本か2本かについて絶対的な一律ルールがあるわけではありません。
ダッシュを2本使う場合は「――」とそろえる
2本使う場合は、
――
のように、同じダッシュを連続させます。
文章の途中で、
―
――
を理由なく混在させるより、文書内で表記を統一した方が読みやすくなります。
文化庁も、ダッシュなどの符号について、特に定めがない場合は慣用に従い、文書内で用法を統一するよう示しています。
三点リーダー「……」とは役割が異なる
ダッシュと三点リーダーは、どちらも「間」を感じさせることがありますが、文化庁では別の符号として整理されています。
ダッシュは流れを切る
ダッシュ「―」は、
文の流れを切る
間を置く
発言の中断や言いよどみを示す
といった用途があります。
三点リーダーは続きを示す
三点リーダー「…」は、続くものの存在を示す符号として説明されています。
たとえば、
牛、馬、豚、鶏…
のような使い方です。
そのため、
――
と、
……
は、見た目の長さをそろえるために交換する記号ではありません。
三点リーダーの個数については、三点リーダーは「…」1個?2個?正しい表記と使い方で詳しく整理しています。
ハイフン「-」とも別の記号
ダッシュ「―」とハイフン「-」も区別します。
文化庁では、
― ダッシュ
- ハイフン
として別々に扱っています。
ハイフンは、数字やローマ字などの区切り・つなぎに使う例が示されています。
たとえば、
100-8959
のような形です。
文章中で間を置くために使うダッシュとは用途が異なります。
詳しくは、ダッシュとハイフンはどう使い分ける?記号の違いと書き方で整理します。
ダッシュを使うときの注意点
ダッシュは便利な記号ですが、多用すると文章の構造が分かりにくくなることがあります。
文書内で本数をそろえる
同じ意味で使っているのに、
―
と
――
が混在している場合は、特別な意図がなければどちらかに統一します。
普通の句読点で書けるなら無理に使わない
たとえば、
この制度は廃止されました。現在は別の制度が使われています。
と普通の句点で明確に書けるなら、必ずダッシュを使う必要はありません。
文化庁も、ダッシュを含む各種の符号について、むやみに多用しないよう示しています。
媒体の表記ルールを確認する
小説、書籍、Webメディアなどでは、独自に、
ダッシュは2本
「――」で統一
などと定めている場合があります。
その場合は媒体のルールを優先します。
ダッシュの本数をまとめると
| 表記 | 判断 |
|---|---|
| ― | ダッシュ1本。文化庁の使用例あり |
| ―― | ダッシュ2本。文化庁の使用例あり |
| ―だけは誤り | とはいえない |
| ――だけが正しい | 全国共通の絶対ルールではない |
| 文書内で本数が混在 | 特別な意図がなければ統一する |
| 媒体の指定がある | 指定を優先する |
| - | ハイフンで、ダッシュとは別 |
ダッシュは「―」1本でも「――」2本でも使用できます。
文化庁の資料でも、
―
と、
――
の両方が例示されています。
そのため、一般的な文章では本数そのものを絶対視するより、用途を明確にし、同じ文書内で表記をそろえることを優先するとよいでしょう。

