メールでも「記・以上」を使うことはできますが、紙のビジネス文書と同じ配置にする必要はありません。日時・場所などを整理したいだけなら、メールでは見出しや箇条書きだけで示す方が読みやすい場合もあります。
たとえば、メールなら、
会議について、下記のとおりお知らせします。
記
1.日時 ○月○日
2.場所 ○○会議室
3.内容 ○○について以上
としても構いません。
一方、
■日時
○月○日■場所
○○会議室■内容
○○について
のように整理すれば、「記・以上」を使わなくても内容は十分伝わります。
メールでは「記・以上」を必ず使う必要はない
「記・以上」は、本文とは別に日時・場所・内容などをまとめる記書きで使われる書式です。
紙やWord文書では、
記
↓
記載事項
↓
以上
という形がよく使われます。
しかし、メールは文書ファイルとは表示の仕組みが異なるため、同じ書式をそのまま再現することが目的ではありません。
文化庁の「公用文作成の考え方」でも、文書の目的や種類、読み手に応じて書き表し方を工夫し、適切な媒体を選んで読み手の利便性に配慮する考え方が示されています。
そのため、メールでは「記・以上を入れること」よりも、必要な情報が見つけやすいことを優先すると考えるとよいでしょう。
メールで「記・以上」を使う場合の書き方
紙文書の形を残したい場合でも、メールでは表示崩れを避けた簡潔な配置にします。
「記」は無理に中央揃えにしない
紙の横書き文書では、「記」を中央に置くのが基本です。
ただし、メール本文でスペースを大量に入れて、
記
のように中央へ見せようとすると、画面幅や表示環境によって位置がずれることがあります。
メールなら、
記
と左側に置くだけでも、記書きの始まりは分かります。
紙文書での正式な配置は、ビジネス文書の「記」は中央揃え?位置と配置の基本で確認できます。
「以上」も無理に右寄せにしない
紙・Word文書では、「以上」を右寄せする形が基本です。
一方、メールでは、
以上
のように空白文字で位置を作ると、相手側でずれる可能性があります。
メールなら、
以上
と左側に置いても、終了位置としては分かります。
紙文書での配置については、ビジネス文書の「以上」は右寄せ?位置と配置の基本で詳しく解説しています。
記載事項は縦に整理する
メールで「記」を使うなら、その下は短い項目に分けます。
記
日時:○月○日
場所:○○会議室
内容:○○について以上
のようにすれば、スマートフォンでも確認しやすくなります。
紙文書の字下げや位置合わせまで再現する必要はありません。
「記・以上」を使わない方が読みやすいケース
メールでは、書式よりも情報へのアクセスを優先した方がよいことがあります。
短い案内メール
伝える内容が日時と場所だけなら、
日時:○月○日 午後2時
場所:○○会議室
だけでも十分です。
この程度の情報量であれば、
記
~
以上
まで付けると、かえって形式が重く見えることがあります。
スマートフォンで読むことが多いメール
メールはパソコンだけでなくスマートフォンでも読まれます。
横方向の空白を使った配置は画面幅の影響を受けやすいため、
■日時
○月○日■場所
○○会議室
のように縦方向で情報を整理すると読みやすくなります。
本文だけで内容が完結するメール
たとえば、
○月10日の会議は午後2時から第1会議室で開催します。
だけで必要事項が伝わるなら、無理に記書きを作る必要はありません。
「記・以上」は、情報を整理するための書式であり、メールを成立させるための必須要素ではありません。
メールでも「記・以上」を使うと分かりやすいケース
一方、メールでも記書き形式が役立つ場合があります。
項目が多い案内
日時・場所・対象者・持ち物・申込期限など、確認事項が多い場合です。
記
1.日時 ○月○日
2.場所 ○○会議室
3.対象 ○○部社員
4.持ち物 筆記用具
5.申込期限 ○月○日以上
とすれば、本文と詳細事項を分けられます。
添付する正式文書と形式をそろえたい場合
メール本文にも文書と似た構成を使うことで、添付資料との対応が分かりやすくなる場合があります。
ただし、メール本文で中央揃え・右寄せまで厳密に再現する必要はありません。
社内で書式が決まっている場合
会社や組織内で、
メールでも「記・以上」を使う
という書式が決められているなら、そのルールを優先します。
一般的な書き方より、組織内で統一されている形式を使う方がよいでしょう。
メールで使うときに注意したいこと
「記・以上」をメールへ持ち込む場合は、紙文書との違いを意識します。
空白文字で位置合わせをしない
中央揃えや右寄せを再現するために、半角・全角スペースを大量に入れるのは避けた方がよいでしょう。
表示環境によってずれるためです。
メールでは、
記
以上
とシンプルに置けば十分です。
「以上」の後から本文を再開しない
記書きとして「以上」を使った場合は、その後から同じ本文を続けない方が構造が分かりやすくなります。
以上
なお、会場には駐車場がありません。
とするより、
その他:会場には駐車場がありません。
以上
のように、必要な内容を「以上」の前へ入れる方法があります。
詳しくは、「以上」の後に文章を書いていい?文書の終わらせ方で確認できます。
「記・以上」より件名と本文構成を優先する
メールでは、受信者が最初に見る件名や冒頭文も重要です。
「記・以上」の形式だけを整えても、何のメールなのか分かりにくければ読みやすいメールにはなりません。
まず用件を示し、その後で必要事項を整理します。
紙文書とメールの違い
| 項目 | 紙・Word文書 | メール |
|---|---|---|
| 「記」 | 中央配置が基本 | 左寄せでもよい |
| 「以上」 | 右寄せが基本 | 左寄せでもよい |
| 位置合わせ | 文書レイアウトで調整 | 空白文字で無理に調整しない |
| 記載事項 | 箇条書き | 箇条書き・見出しで整理 |
| 「記・以上」 | 記書きでよく使う | 必須ではない |
| 優先するもの | 文書書式 | 読みやすさ・表示の安定 |
メールでは、「記・以上」を使うかどうかより、相手が必要な情報をすぐ確認できるかを基準にすると判断しやすくなります。
紙文書らしい形式を残したいなら使っても構いませんが、中央揃えや右寄せまで無理に再現する必要はありません。

