「記」の前を必ず1行、または必ず2行空けるという全国共通の固定ルールがあるわけではありません。横書きの記書きでは、本文を終えて改行し、「記」を独立した行の中央に置くのが基本です。
たとえば、
会議を下記のとおり開催いたします。
記
1.日時 ○月○日
2.場所 ○○会議室
のように、本文と「記」の区切りが分かるように配置します。
会社や提出先にテンプレートがある場合は、「1行空ける」「空行を入れない」といった独自の指定を優先してください。
「記」の前は固定の行数より区切り方が重要
公的な文書作成ルールを見ると、「記」の位置については明確に示されている例があります。
栃木県の「文書等左横書き実施要領」では、「下記のとおり」などの下に書く「記」は中央に書くとされています。
墨田区の「文書の作成について(通知)」でも、本文で「下記のとおり」「下記により」などと示し、「記」の文字は中央に記載すると定めています。
一方、これらの規定では、「記」の前を必ず1行、あるいは2行空けるという共通の行数までは示されていません。
そのため、「何行空けるか」だけを絶対的なルールとして考えるより、本文と記書きが明確に分かれる配置にすることがポイントです。
本文から「記」まではどう配置する?
本文の終わりと記書きの始まりを、見た目でも区別できるようにします。
本文を終えてから「記」を独立させる
「記」は本文と同じ行に続けません。
下記のとおり開催いたします。記
ではなく、
下記のとおり開催いたします。
記
とします。
「記」が独立した行になることで、ここから別記が始まることが分かりやすくなります。
「記」は中央に置く
本文が左から始まっていても、「記」まで左寄せにするのではなく、横書きの一般的な記書きでは中央へ置きます。
下記のとおりお知らせいたします。
記
栃木県、高知県、墨田区などの公的な文書作成ルールでも、「記」を中央に置く形が確認できます。
「記」の位置そのものについては、ビジネス文書の「記」は中央揃え?位置と配置の基本で詳しく解説しています。
空行は文書全体の書式に合わせる
本文と「記」の間に空行を入れると、記書きの始まりを視覚的に区切りやすくなります。
ただし、
必ず1行空けなければならない
必ず2行空けなければならない
と一律に考える必要はありません。
社内テンプレートや提出様式が決まっているなら、その行間・空行に合わせます。
「1行空ける」「2行空ける」で迷ったときの考え方
固定の数字だけで判断せず、文書の書式と読みやすさを確認します。
テンプレートがあるならその行数に合わせる
会社や官公庁、学校などで既存の文書様式がある場合は、その配置を優先します。
既存様式が、
本文
記
という1行分の空きを設けているなら、その形に合わせます。
独自判断で空行を増減させる必要はありません。
指定がなければ本文と記書きが見分けられるようにする
指定様式がない場合は、本文と「記」が詰まりすぎないようにします。
たとえば、
下記のとおり開催いたします。
記
よりも、
下記のとおり開催いたします。
記
のように区切った方が、記書きの始まりを見つけやすくなります。
ただし、ページ内の余白や文書全体のレイアウトとのバランスも確認します。
「記」を次のページへ追い出さない
空行を増やしすぎた結果、
本文が1ページ目
「記」以下が不自然に2ページ目
となるなら、空きを調整した方が読みやすい場合があります。
行数そのものより、本文と別記のまとまりが自然に見えることを優先します。
「記」の前で迷いやすいケース
本文との間隔だけでなく、「記」の前に何を書くかでも迷うことがあります。
「下記のとおり」の直後に「記」を置く
一般的には、
会議を下記のとおり開催いたします。
記
のようにつなぎます。
「下記」と書いたあとに「記」を置くことで、本文から別記への対応関係が分かりやすくなります。
長い説明を「記」の直前に詰め込まない
本文が長い場合でも、最後の説明と「記」が一続きに見えないように区切ります。
……ご協力をお願いいたします。 記
のような配置ではなく、
……ご協力をお願いいたします。
記
とします。
指定様式では空行を勝手に増やさない
提出先からWordやPDFの様式が指定されている場合は、見栄えを整えるために空行を追加すると、指定のレイアウトを崩すことがあります。
この場合は一般的な書式よりも、指定様式を優先します。
「記」の下の空行は別に考える
「記」の前を何行空けるかと、「記」の下を何行空けるかは別の問題です。
たとえば、
記
1.日時 ○月○日
2.場所 ○○会議室
のように、「記」の下から記載事項を始めます。
「記」の後に1行空けるか、すぐ記載事項を置くかについては、文書様式によっても異なります。
詳しくは、「記」の下は一行空ける?別記事項の並べ方で確認できます。
「記」の前で迷ったときの判断基準
| 確認すること | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 「記」の前の固定行数 | 全国共通で「必ず○行」とは考えない |
| 本文との関係 | 本文を終えてから独立した行に置く |
| 「記」の位置 | 中央 |
| 「下記のとおり」との関係 | 本文から「記」へつなぐ |
| 空行 | 本文と記書きが見分けられるようにする |
| 社内テンプレート | その書式を優先 |
| 提出先の指定様式 | 指定を優先 |
| ページをまたぐ場合 | 不自然な分断にならないよう調整 |
迷ったら、「1行か2行か」だけで判断するのではなく、本文を終えて「記」を独立した中央行として置き、記書きの始まりが分かるかを確認します。
既定の様式がある場合は、その空行・行間をそのまま使うのが安全です。

