公用文の表記に合わせるなら、「下記のとおり」と平仮名で書くのが基本です。
下記のとおりお知らせします。
下記のとおり実施します。
文化庁の「公用文作成の考え方」では、形式名詞として使う「通り」は、
通り → とおり
と仮名で書くことが示されています。
一方、
大通り
のように、道路など具体的な意味で使う「通り」は漢字で書きます。
「下記のとおり」は平仮名で書く
「下記のとおり」の「とおり」は、「下に記した内容と同じように」という形で使われています。
公用文では、このような使い方の「とおり」は平仮名表記が基本です。
「下記のとおり」と書く
ビジネス文書なら、
会議を下記のとおり開催します。
必要事項を下記のとおりお知らせします。
のように書きます。
公用文の表記に合わせたい場合は、
下記の通り
ではなく、
下記のとおり
を選ぶとよいでしょう。
「次のとおり」も同じ
同じ考え方で、
次のとおり
通知のとおり
思ったとおり
なども「とおり」と平仮名で書きます。
文化庁の「公用文作成の考え方」でも、「通知のとおり」「思ったとおり」が例として示されています。
なぜ「通り」ではなく「とおり」なの?
文化庁は、常用漢字表に使える漢字があっても、形式名詞など漢字の実質的な意味が薄くなっている場合には仮名で書くという考え方を示しています。
「とおり」は形式名詞として使われている
たとえば、
下記のとおり
の「とおり」は、道路や場所を表しているわけではありません。
前に示した内容と同じ形・内容であることを表すために使われています。
このような場合は「とおり」と書きます。
実質的な意味がある「通り」は漢字
一方、
駅前の大通り
通りを渡る
のように、道路や道筋を具体的に表す場合は「通り」と漢字で書きます。
同じ読みでも、使われ方によって表記が変わります。
「下記の通り」は間違い?
「下記の通り」という表記そのものが、日本語として成立しないわけではありません。
ただし、公用文の表記基準に合わせるなら「下記のとおり」です。
ビジネス文書では表記方針をそろえる
社内文書や取引先への文書で、
下記の通り
という表記が使われることもあります。
ただし、公用文に近い書式で統一したいなら、
下記のとおり
とする方が基準を示しやすくなります。
会社の表記ルールがあるならそちらを優先する
会社や組織に文書作成マニュアルがあり、
「通り」で統一する
などの指定がある場合は、そのルールを優先します。
重要なのは、同じ文書・同じ組織内で、
下記の通り
次のとおり
のように表記がばらつかないことです。
「下記のとおり」の後に「記」は必要?
「下記のとおり」と書く場合、記書きの形式にするなら、その下に「記」を置きます。
たとえば、
会議を下記のとおり開催します。
記
1.日時 ○月○日
2.場所 ○○会議室以上
という形です。
「下記」と「記」の配置については、「下記」と書いたら「記」は必要?文書の配置ルールで詳しく整理しています。
「下記のとおり」と「以下のとおり」はどうする?
「とおり」の表記は同じですが、その前に置く言葉は文書の構造によって変わります。
記書きなら「下記のとおり」
本文と列記事項を「記」で分けるなら、
下記のとおり
と書き、
記
を置く形があります。
「記」を使わないなら「以下のとおり」も使える
たとえばメールや簡単な案内なら、
詳細は以下のとおりです。
必要書類は次のとおりです。
として、そのまま項目を並べることもできます。
この場合も、
以下の通り
ではなく、公用文表記に合わせるなら、
以下のとおり
とします。
迷ったときの判断基準
| 書き方 | 公用文での目安 |
|---|---|
| 下記のとおり | ○ |
| 下記の通り | 公用文では「とおり」にする |
| 次のとおり | ○ |
| 以下のとおり | ○ |
| 通知のとおり | ○ |
| 思ったとおり | ○ |
| 大通り | 漢字で書く |
| 通りを歩く | 漢字で書く |
| 組織独自の表記指定 | 指定を優先する |
ビジネス文書で迷ったら、「下記のとおり」と平仮名にしておけば、公用文の表記原則に沿った形になります。
ポイントは、「とおり」が形式的に使われているのか、それとも道路など具体的な「通り」を表しているのかを見ることです。

