記書きや文書の終了を示すなら「以上」、相手への依頼や確認を含む文章として締めるなら「以上、よろしくお願いいたします」のような形を使うことがあります。
ただし、この2つは単純な「丁寧/普通」の違いではありません。
以上
は、記載事項の終わりを示す表示として使えます。
一方、
以上、よろしくお願いいたします。
は、「以上」を含む一つの文章として、相手に対応・確認などを求める場面で使われます。
文書の種類や、「以上」がどの役割で置かれているかを見て使い分けます。
「以上」と「以上、よろしくお願いいたします」の基本的な使い分け
まず、「以上」が終了表示なのか、文章の一部なのかを確認します。
記書きを終える「以上」
ビジネス文書で、
記
1.日時 ○月○日
2.場所 ○○会議室以上
とする場合の「以上」は、記書きの終わりを示すものです。
この場合は、
以上、よろしくお願いいたします。
に置き換える必要はありません。
「記」から始まった記載事項を「以上」で終える、という文書構造だからです。
「記・以上」の基本形については、「記」と「以上」の書き方完全ガイド|位置・配置・使い方で詳しく整理しています。
依頼や確認を含む「以上、よろしくお願いいたします。」
メールなどでは、
以上、よろしくお願いいたします。
のように書くことがあります。
この場合の「以上」は、独立した終了表示というより、
ここまでが用件です。その内容についてよろしくお願いします。
という流れを作る文章の一部です。
そのため、文末には通常どおり句点を付けます。
文書の種類によってどう使い分ける?
同じ「以上」でも、紙の文書とメールでは使われ方が異なります。
記書きのある正式な文書
「記」を使って日時・場所などを列記する文書なら、
記
↓
記載事項
↓
以上
という形が基本です。
ここでの「以上」は、右側に独立して置く終了表示です。
その後に、
よろしくお願いいたします。
と本文を再開すると、どこで文書が終わるのか分かりにくくなる場合があります。
「以上」の後に文章を置く場合の考え方は、「以上」の後に文章を書いていい?文書の終わらせ方で確認できます。
メールや短い連絡文
メールでは、
資料を添付しましたので、ご確認ください。
以上、よろしくお願いいたします。
のように締めることがあります。
この場合は、紙の記書きの「以上」と同じ書式ではありません。
相手への確認や対応を求める意味まで含めて、一つの締めの文章として使っています。
ただし、毎回「以上、よろしくお願いいたします」と書かなければならない決まりはありません。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
だけで締めることもできます。
「以上」を使った末尾表現はどう書き分ける?
「以上」の後には、「よろしくお願いいたします」以外の表現が続く場合もあります。
「以上です。」
以上です。
は、説明や発言などがここで終わることを文章として伝える表現です。
記書きの右端に置く、
以上
とは使い方が異なります。
書面で使ってよいか迷った場合は、文書の末尾に「以上です」と書いていい?書式上の考え方で詳しく確認できます。
「以上、ご報告いたします。」
報告内容をまとめたあと、
以上、ご報告いたします。
と締めることがあります。
この「以上」は、独立した記書きの終了表示ではなく、報告を締める文章の一部として使われています。
配置や句読点については、「以上、ご報告いたします」はどう書く?末尾表現の配置で整理しています。
「以上、ご確認ください。」
確認してほしい内容を示したあと、
以上、ご確認ください。
とする書き方もあります。
これも、記書き末尾の独立した「以上」とは分けて考えます。
詳しくは、「以上、ご確認ください」はどう書く?文書末尾の扱いで確認できます。
「以上、よろしくお願いいたします」を使うときの注意点
「以上」を付ければ丁寧になるわけではありません。文書の役割との組み合わせを確認します。
記書きの「以上」と混ぜない
たとえば、
記
1.日時 ○月○日
2.場所 ○○会議室以上、よろしくお願いいたします。
とすると、記書きの終了表示と依頼文が一つになり、書式上の役割が分かりにくくなります。
通常の記書きなら、
以上
と終了させます。
相手への依頼が必要なら、本文側でその内容を示す方が整理しやすくなります。
用件に合った締め方を選ぶ
報告なら、
以上、ご報告いたします。
確認依頼なら、
以上、ご確認ください。
一般的な依頼や対応をお願いするメールなら、
以上、よろしくお願いいたします。
のように、目的に応じて変わります。
「以上」の後に何を書くかを固定するのではなく、何を相手に求めているのかを見ると選びやすくなります。
指定された文書様式がある場合は従う
社内文書や提出書類に既定のテンプレートがある場合は、その形式を優先します。
「より丁寧に見えるから」という理由だけで、指定されていない「よろしくお願いいたします」を付け加える必要はありません。
迷ったときの判断基準
| 書く場面 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 「記」で始まる記書きの最後 | 「以上」 |
| 記載事項の終了表示 | 「以上」 |
| メールで対応をお願いする | 「以上、よろしくお願いいたします。」も可 |
| 説明の終了を文章で伝える | 「以上です。」 |
| 報告を締める | 「以上、ご報告いたします。」 |
| 確認を求める | 「以上、ご確認ください。」 |
| 指定様式がある | 指定を優先する |
迷ったら、「この『以上』は終了表示なのか、それとも後ろの言葉まで含めて一つの文章なのか」を確認します。
記書きの終了表示なら、
以上
文章として相手に依頼するなら、
以上、よろしくお願いいたします。
のように使い分けます。
なお、「以上、よろしくお願いいたします」を必須とする全国共通の公用文ルールがあるわけではありません。文書の目的や種類、読み手に応じて適切な形を選ぶことが大切です。
詳しく確認したいときはこちら
「以上」の後ろに何を書くかによって、判断ポイントが変わります。

