一般的な「記書き」では、「記」で始めて「以上」で終える形が基本です。ただし、「記」と「以上」という文字が、どんな文書でも必ずセットになるわけではありません。
たとえば、一般的な通知文なら、
下記のとおりお知らせいたします。
記
1.日時 ○月○日
2.場所 ○○会議室
3.内容 ○○について以上
という形です。
一方、「以上」を通常の文末表現として使う場合や、提出先の指定様式がある場合は、同じ考え方にはなりません。
記書きでは「記」と「以上」をセットで使うのが基本
本文とは別に日時・場所・内容などをまとめる「記書き」では、「記」で始まり「以上」で終わる形が基本です。
法務省が公開しているビジネス文書の教材でも、具体的な内容を箇条書きにする場合について、箇条書きの初めに「記」、終わりに「以上」を入れる形が示されています。
「記」は別記の始まりを示す
「記」は、本文のあとに別の事項をまとめて示すときに使います。
下記のとおり開催いたします。
記
1.日時 ○月○日
2.場所 ○○会議室
文化庁の「公用文作成の考え方」でも、本文と下記部分に分けて書く場合は、本文中に「下記」などを用い、本文と下記部分との間の中央に「記」と書く形が示されています。
「以上」は記書きの終わりを示す
記載事項を書き終えたあとには、
以上
と置き、記書きがここで終わることを示します。
したがって、一般的なビジネス文書の記書きを作るなら、「記」と「以上」を組み合わせると考えるのが分かりやすいでしょう。
「記・以上」全体の配置は、「記」と「以上」の書き方完全ガイド|位置・配置・使い方でまとめています。
「記」だけになる場合はある?
「記」を見たら、どの文書でも必ず自分で「以上」を追加しなければならない、という意味ではありません。
指定された書式ではその様式を優先する
官公庁、会社、学校などから提出様式が指定されている場合は、その様式どおりに書きます。
元のテンプレートが「記」以下の項目だけで構成されている場合に、書式を自己判断で変えて「以上」を追加する必要はありません。
一般的な記書きの基本形と、指定様式は分けて考えます。
「別紙」「別記」などを使う文書もある
本文とは別に情報を示す方法は、「記」だけではありません。
文化庁の「公用文作成の考え方」では、本文とは別に別記部分を設ける場合に、
別紙
別記
などを用いる方法も示されています。
つまり、すべての別掲情報を必ず、
記
~
以上
という形にするわけではありません。
「以上」だけになる場合はある?
あります。ただし、記書きの「以上」と、文章表現として使う「以上」は区別した方が分かりやすいです。
文書末尾の「以上」は「記」がなくても使われる
たとえば、
以上、ご報告いたします。
以上、ご確認ください。
のように、「以上」を文章の一部として使う場合があります。
この「以上」は、
記
~
以上
という記書きの終了表示とは別の使い方です。
そのため、
「以上」があるなら、前に必ず「記」が必要
とはいえません。
文末表現としての使い分けは、「以上」と「以上、よろしくお願いいたします」はどう使い分ける?で詳しく整理しています。
「以上です」なども記書きとは別に考える
説明は以上です。
のような「以上」も、記書きの終了表示ではありません。
「以上です」を文書末尾に使う場合については、文書の末尾に「以上です」と書いていい?書式上の考え方で確認できます。
「記・以上」を使うか迷いやすいケース
同じ「以上」という言葉でも、使われている場所によって判断が変わります。
日時・場所などを別にまとめる通知文
下記のとおり開催いたします。
記
1.日時 ○月○日
2.場所 ○○会議室以上
この場合は典型的な記書きなので、「記」と「以上」を組み合わせる形が基本です。
本文だけで完結する短い文書
本文だけで内容が完結していて、別に日時や事項を並べる必要がなければ、無理に「記・以上」を入れる必要はありません。
○月○日の会議は中止となりましたので、お知らせいたします。
このような文書なら、本文だけで成立します。
「以上、ご報告いたします」で終える文書
調査結果は上記のとおりです。
以上、ご報告いたします。
この「以上」は文末表現です。
記書きではないため、前に「記」がないことだけを理由に誤りとはいえません。
詳しくは、「以上、ご報告いたします」はどう書く?末尾表現の配置で確認できます。
「記・以上」を使うときの注意点
一般的な形を知ったうえで、文書の種類に合わせて判断します。
「下記」と「記」の関係を確認する
本文で、
下記のとおり
と書いて、その下に記書きを設ける場合は、「記」を置く形が基本です。
文化庁の「公用文作成の考え方」でも、本文と下記部分に分ける場合には、本文中に「下記」等を用い、その間に「記」を置くとされています。
「以上」の後に内容を続けない
記書きの終了を示す「以上」を置いたあとで、さらに同じ記書きの項目を続けるのは避けます。
記
1.日時
2.場所
以上
3.持ち物
では、どこで記書きが終わるのか分かりにくくなります。
「以上」の後に文章を書きたい場合は、「以上」の後に文章を書いていい?文書の終わらせ方も確認してください。
指定テンプレートを勝手に直さない
一般的な書式と提出先の指定様式が異なる場合は、指定様式を優先します。
「記と以上はセットだから」という理由だけで、指定されていない文字や配置を追加する必要はありません。
「記」と「以上」で迷ったときの判断基準
| 書き方・場面 | 「記」と「以上」の考え方 |
|---|---|
| 一般的な記書き | 「記」で始め「以上」で終えるのが基本 |
| 日時・場所などを別掲する通知 | セットで使う形が一般的 |
| 本文だけで完結する文書 | 「記・以上」は不要 |
| 指定様式がある | 指定を優先 |
| 「以上、ご報告いたします」 | 「記」がなくても使える |
| 「説明は以上です」 | 記書きとは別の「以上」 |
| 「別紙」「別記」を使う | その書式に従う |
「記書きとして使っているのか、それとも『以上』を普通の文末表現として使っているのか」を確認すると判断しやすくなります。
記書きなら「記 → 記載事項 → 以上」が基本です。しかし、「以上」という言葉が出てくるすべての文書に「記」が必要なわけではありません。

