かぎ括弧が連続するときはどう書く?会話・引用の並べ方

句読点・記号の書き方

かぎ括弧「」が連続しても、間に必ず句読点や空白を入れるという共通ルールはありません。何を並べているのかによって、「と」などでつなぐ、改行する、別の括弧を使うなど書き方を変えます。

たとえば、二つの語句を並べるなら、

「申請」と「届出」

のように、関係が分かる形でつなぐと読みやすくなります。

一方、別々の人の発言なら、

「参加します。」

「私も参加します。」

のように、発言ごとに分けた方が誰の言葉か分かりやすくなります。

また、引用の中に別の引用を入れる場合は、単にかぎ括弧を横に並べる問題とは別に考えます。

かぎ括弧が連続するときは内容の関係で書き分ける

文化庁の「公用文作成の考え方」では、「」をかぎ括弧として用いることや、括弧の中にさらに括弧を使う場合の考え方は示されています。

一方、

「A」「B」

のように、独立したかぎ括弧が横に連続したときは必ず何を挟む、といった一律の規則までは示されていません。

そのため、二つの括弧がどのような関係なのかが伝わる形にすることを優先します。

語句を二つ並べる場合

二つの用語や名称を並べる場合は、その関係を文中で明確にします。

二つを対等に並べるなら「と」でつなぐ

たとえば、

「受付」と「受け付け」

「記」と「以上」

のように書けば、二つを比較・並列していることがすぐ分かります。

「受付」「受け付け」

と続けても意味が取れる場合はありますが、通常の文章なら「と」などを入れた方が関係が明確です。

複数の候補を列挙するなら文全体で区切る

たとえば、

表記には「申し込み」「申込み」「申込」があります。

のように、複数の候補名を続けて示すこともできます。

ただし、項目数が多くなって読みにくい場合は、

「申し込み」
「申込み」
「申込」

のように箇条書きへ変える方法もあります。

会話のかぎ括弧が続く場合

会話では、単に「」「」を横に並べるより、発言者や発言の切れ目を明確にします。

別々の発言なら分けて書く

たとえば、

「参加します。」「私も参加します。」

と一行に続けると、同じ人が二回話したのか、別の人が話したのか分かりにくい場合があります。

別々の発言なら、

「参加します。」

「私も参加します。」

のように分けると読みやすくなります。

必要なら、

Aさんは「参加します。」と答えた。
Bさんも「私も参加します。」と続けた。

のように話者を示します。

同じ人の発言を細かく分割しすぎない

同じ人の一続きの発言なら、

「参加します。」「ただし、午後からになります。」

のように二つのかぎ括弧へ分けるより、

「参加します。ただし、午後からになります。」

と一つにまとめた方が自然な場合があります。

かぎ括弧を分ける必要があるかは、発言のまとまりで判断します。

会話文の句点は媒体ルールも確認する

公用文では、かぎ括弧内で文が終わる場合、

「参加します。」

のように句点を入れるのが基本です。

一方、小説などでは、

「参加します」

と句点を省く表記もあります。

詳しくは、かぎ括弧の最後に句点は必要?省く場合との使い分けで確認できます。

引用が連続する場合

複数の引用を一つの文章に入れる場合も、引用同士の関係が分かるようにします。

二つの引用を比較する場合

たとえば、

A案では「申請する」とし、B案では「届け出る」としています。

のように、どの引用が何に対応しているかを示します。

単に、

「申請する」「届け出る」

と並べるだけよりも、引用の役割が分かりやすくなります。

短い引用を列挙する場合

短い用語を並べるだけなら、

「日時」「場所」「対象者」

のように続けることもできます。

ただし、

「日時」と「場所」と「対象者」

とした方がよい場合もあれば、箇条書きの方が読みやすい場合もあります。

かぎ括弧が連続していること自体を直すのではなく、文章全体として読みやすい形を選びます。

引用の中に引用がある場合は別に考える

横に「」「」が並ぶ場合と、かぎ括弧の内部に別の括弧が入る場合は別の問題です。

公用文では同じ括弧を重ねることもできる

文化庁の「公用文作成の考え方」では、「」の中にさらに「」を用いる場合にも、そのまま重ねて用いることができるとされています。

つまり、入れ子になったからといって、必ず別の種類の括弧へ変更するわけではありません。

解説・広報では『』を使うこともある

一方、解説・広報などでは、

「『異字同訓』の漢字の使い分け例」

のように、「」の中で『』を使うこともあります。

これは、単に括弧が連続したからではなく、引用・書名などの役割を区別するためです。

詳しくは、「」と『』はどう使い分ける?かぎ括弧の表記ルールで確認できます。

連続するかぎ括弧で迷いやすいケース

かぎ括弧が並んだときは、記号だけを見るのではなく、その前後の文章を確認します。

「」「」の間に空白を入れるか

日本語文中で、

「A」 「B」

のように、見た目を整えるためだけに空白を入れる必要は通常ありません。

二つの関係を示したいなら、

「A」と「B」

など、言葉でつなぐ方が明確です。

読点を入れればよいとは限らない

「A」、「B」

のように読点だけで区切るより、

「A」と「B」

「A」「B」の2種類

など、文章の意味に合わせて書く方が分かりやすい場合があります。

読点は「かぎ括弧が続いたら必ず入れる記号」ではありません。

長く連続するなら箇条書きも使う

「A」「B」「C」「D」「E」

と多くの項目が続くなら、

・「A」
・「B」
・「C」
・「D」
・「E」

のように分ける方法もあります。

文化庁の「公用文作成の考え方」でも、複数の情報を整理する際には箇条書きを活用する考え方が示されています。

迷ったときの判断基準

状況書き方の目安
二つの語句を比較「A」と「B」
短い候補を列挙「A」「B」「C」も可
別々の人の発言発言ごとに分ける
同じ人の一続きの発言一つの「」にまとめることを検討
二つの引用を比較前後の文で対応関係を示す
引用の中に引用入れ子として考える
多数の項目が続く箇条書きも検討
指定スタイルがある指定を優先する

迷ったら、「なぜ二つのかぎ括弧が続いているのか」を確認します。

語句の列挙ならそのまま続けられる場合がありますが、比較なら「と」、別の発言なら改行など、関係が分かる形にした方が読みやすくなります。

かぎ括弧が連続したからといって、機械的に読点や空白を挟む必要はありません。

参考資料・参考サイト

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