一般的な横書き文書では、本文の書き出しや段落を改めた後は、1字分下げて書き始めるのが基本です。
たとえば、
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたび下記のとおり説明会を開催いたします。
のように、段落の最初を1字分空けます。
ただし、メールやWeb文章では必ずしも一字下げをする必要はありません。 改行や段落間の空行で区切りを示す書き方もあります。
一般的な本文では段落冒頭を1字下げる
文化庁の「公用文作成の考え方」では、文の書き出しや改行したときは、原則として1字下げるとしています。
横浜市の行政文書作成要領でも、
文頭は、1字分を空けて書き出す
という書式が定められています。
そのため、紙の通知・案内など一般的な横書き文書を作る場合は、本文の段落冒頭を1字下げる形を基準にできます。
一字下げする箇所
一字下げは、文書内のすべての行に入れるものではありません。段落の始まりを示すために使います。
本文の最初
件名などの後から本文を書き始める場合は、
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
のように、最初の1字分を空けます。
新しい段落の最初
内容が変わって段落を改めた場合も、
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたび……
のように、新しい段落の冒頭を1字下げます。
一字下げは「すべての改行」に機械的に入れるのではなく、新しい段落の始まりを示すものと考えると分かりやすくなります。
一字下げしない箇所
文書内には、段落本文とは異なる役割の部分もあります。
日付・宛名・発信者・件名
たとえば、
2026年10月11日
株式会社○○ 御中
株式会社△△価格改定のお知らせ
のような部分は、それぞれ決められた配置で置きます。
本文の段落ではないため、「段落冒頭だから1字下げる」という考え方は当てはめません。
見出しや箇条書き
1 提出書類
(1)申込書
(2)本人確認書類
のような見出し・箇条書きも、それぞれの番号やインデントによって位置を決めます。
通常の本文と同じ一字下げを機械的に加える必要はありません。
箇条書きについては、ビジネス文書の箇条書きはどう書く?番号・行頭・句点で詳しく整理しています。
一字下げと空行はどう使い分ける?
一字下げと空行は、どちらも段落の区切りを分かりやすくする方法ですが、媒体によって使い方が異なります。
紙の一般文書では一字下げを基本にする
通知や案内など、紙面を前提とした一般的な文書では、
第一段落の文章です。
第二段落の文章です。
のように、段落冒頭を1字下げる形が基本です。
段落ごとに必ず1行空けなければならないわけではありません。
Webや電子文書では空行で区切ることもできる
文化庁は、Webサイトを含む解説・広報等について、一字下げの代わりに、
- 段落間を広く空ける
- 行間に余裕を持たせる
など、読みやすくする別の方法を使えるとしています。文化庁
たとえば、
第一段落の文章です。
第二段落の文章です。
のような形です。
一字下げと空行のどちらを使うかについては、ビジネス文書で段落ごとに空行を入れる?レイアウトの基本で詳しく整理します。
メールでは一字下げしなくてもよい
メールでは、一字下げを使わず、改行や空行で段落を分ける書き方が一般的に使われます。
文化庁の「公用文作成の考え方」でも、電子メールやSNSについては、一字下げの原則をそのまま適用しないとしています。文化庁
たとえば、
お世話になっております。
○○の件についてご連絡いたします。
詳細は下記のとおりです。
のように、段落間を空ければ構造が分かります。
そのため、
お世話になっております。
とメール本文の先頭へ必ず全角スペースを入れる必要はありません。
改行と改段落は同じではない
一字下げを考えるときは、「行が変わった」だけなのか、「段落が変わった」のかを区別します。
文章が表示幅の都合で自動的に次の行へ折り返された場合、その行頭を一字下げする必要はありません。
一方、
ここまでが第一段落です。
ここから第二段落です。
のように、内容上のまとまりを変えて新しい段落を始める場合は、一字下げの対象になります。
一字下げするのは「新しい段落の冒頭」であって、画面や用紙上のすべての行頭ではありません。
一字下げはスペースを何個入れる?
基本は日本語1字分です。
本文……
という形にします。
半角スペースを複数個入れて見た目だけ合わせるより、Wordなどでは段落の「字下げ」「インデント」機能を使った方が、行頭位置をそろえやすくなります。
ただし、操作方法そのものは文書の表記ルールとは別なので、この記事では詳しく扱いません。
組織のテンプレートがある場合はそちらを優先する
ビジネス文書には、会社や組織独自の書式が設定されていることがあります。
たとえば、
- 段落冒頭は一字下げ
- 一字下げせず段落間を空ける
- 指定のWordテンプレートを使用する
などです。
この場合は、一般的な書式よりも組織の指定を優先します。
公用文でも、文化庁はWebサイトについて各府省庁の運用ルール等に従うとしています。文化庁
一字下げの判断をまとめると
| 場面 | 一字下げの目安 |
|---|---|
| 紙の文書の本文冒頭 | 1字下げる |
| 新しい段落の冒頭 | 1字下げる |
| 自動的な折り返し | 下げない |
| 日付・宛名・発信者 | それぞれの配置に従う |
| 件名・見出し | 見出しの書式に従う |
| 箇条書き | 番号・記号の書式に従う |
| メール | 一字下げしなくてもよい |
| Web文章 | 空行などで段落を示すこともできる |
| 指定テンプレート | 指定を優先する |
一般的な紙のビジネス文書なら、本文の最初と新しい段落の最初を1字下げる、と考えると分かりやすくなります。
一方、メールやWebでは、一字下げにこだわらず、空行や改行によって段落を明確にする方法があります。

